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「『現代美術』は問い」だけで良いのか? [アート 現代美術]

 その問いかけには、古来宗教家や哲学者、作家や詩人がさまざまに答えて来ました。

 その答えとして最もポピュラーなものは、ギリシャのプラトンやイエス・キリスト、インドの仏陀の思想だと思います。

 彼らは、彼岸、すなわち「あの世」を「真の世界」とする価値観を説いています。
 この世は「仮の世界」という考え方です。

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大毘盧遮那仏 東大寺大仏殿 

 「あの世があってこの世がある」

 人間は、あの世からこの世に生まれて来て、また死んであの世に帰る、という人生観です。

 その中で、苦しみの「転生輪廻」から逃れるにはどうしたらいいかという方法論が「仏教の修業論」になっていると思います。
 プラトンの「イデア論」は、

 「イデア界」こそが本当の実在の世界であり、この地上はその不完全な模倣である、学習とはその「イデア界」を思い出すことだ。

と言っています。
 またプラトンは魂の「転生輪廻」も認めています。(国家)
 イエス・キリストも、天国に行くための様々なガイドラインを示しています。


 ブッダの説いた「施論・戒論・生天論」は、

 「施しをして、戒律を守って生活をすれば、天国に行く」

というシンプルな教えです。
 美術は、それらの教えを人々に分かりやすく絵や彫刻で表現して伝えて来ました。
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ラファエロ アテネの学堂 バチカン

 そしてこの物質の世の中で、生きる道を失っている人々に、導きの光を与えた人々を「聖人」として讃えて来ました。

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イエス・キリスト 小川 淳 

 今の「現代美術」には、そのような機能はなく、複雑で分かりにくく、人々が勝手に好きなものを作って、いたずらに目を刺激して見る人を混乱に陥れてしまっているように見えます。
 難解で分かりにくい、でも何か深い意味があるのかも知れない、と思わせるような「似非哲学」的な作品が横行して、見る人を煙に巻いていることが多いようです。

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チェスをするマルセル・デュシャン

 しかし「あいちトリエンナーレ2019」の事件によって、「現代美術」がそんな「クールな知的ゲーム」ではないことを露呈してしまいました。

 そして「現代美術は”問い”である」という言葉がありますが、それは

「答えが分からない」

ということを意味しています。



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