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心優しきマルクスの地獄 [アート 文学 宗教]

 現代に生きる人の中で、
「私はエピクロスが大好き!エピクロスさんを地獄に堕とすなんて許せない!」
というほどのエピクロスファンはあまりいないと思うので、彼が「『地獄』で二百年以上も苦しみの中を彷徨った」と書いても、さほど反発を受けることはないと思う。しかし、この人の場合はどうだろうか?

Karl_Marx[1].jpg

 カール・マルクス(1818-1883)。
 ドイツの哲学者で経済学者、共産主義革命を提唱し、世界中で数多くの人が彼の影響の下に生き、そして死んだという意味では大革命家でもあった。
 この人は、今でこそ表向きはすでにヒーローの座からは退いているが、「隠れマルクスファン」は、結構いるのではないだろうか?この神曲2008のメンバーの中にも、
「おいおい、まさかマルクスを地獄に堕とすんじゃないだろうな!?」
という人もいるかも知れない。そういう僕自身も、この人の考え方にかなり影響を受けていた時代があった。
 
 しかし、マルクスの思想は、そのような理想を求める若者の心を静かに蝕んでいく。
 恐ろしい毒薬なのだ。この毒薬を飲むと、自分のことは棚に上げて、社会に対する不満や、成功者や金持ちに対する嫉妬、敵意だけが異常に増していく。

「あなたが苦しいのは、社会の仕組みが悪いからだ。あなたが貧しいのは、あなたが生み出した価値を大企業が吸い取っているからだ。あなたは悪くない。資本主義に問題があるのだ。さあ、世の中を変えて行こう!」

 苦しんでいる時に、優しくそうささやきかけられたら、本来持っている前向きな克己心を投げ出してしまうかも知れない。それをまたマスコミが「そうだ、そうだ」とあおる。

 本人は、人生に光明が差して来た感じになって、気が付いたら"不満だらけの貧乏人”になっていく。これを「地獄」と言わずにいられようか。

 本当に変えなければならないのは、社会や他人ではなく、まず自分自身なのだ。

Karl_Marx[2].jpg

 カール・マルクスは、死後百年以上、「無意識界」で、隔離された生活を送っているらしい。彼は、自分が死んだことすらまだ分からずにいる。

 彼を信じる人がこの世からいなくなり、地獄の再生産がストップするまでは、マルクスは浮かばれないだろう。
 本当に彼の理想に共感するならば、自分を弱者などと思わずに、力強く生きていくことだろう。
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