地獄の渡し守 カロン [アート 文学 宗教]
”貴様ら”!悪党どもに災いあれ!”
突然の怒鳴り声と共に、船に乗った白髪の老人が現われた。
小川 淳 地獄の渡し守カロン アクリル
”わしは貴様らを、永遠の闇の中に、灼熱と氷の岸辺に追いやるために来たのだ!さあ、さっさとこの船に乗らんか!”
と言いながら、手に持った櫂で、そこに集まってきていた亡者どもを打ち据えながら、目の前の川を渡る船に彼らを追い込んで行った。老人は、「三途の川」の渡し守のカロンだ。
”おいおまえ、生きているな。生きている奴は、ここを通すわけには行かぬ。離れておれ。”
ヴェルギリウスに連れられて、三図の川の岸辺に来ていたダンテを見つけるや、カロンは言った。
”他の道を行け、おまえには、もっと楽な船が似合うだろう”
”カロンよ、怒るな。これは、全知全能の高き賢きあたりの思し召しなのだ。彼を通してやれ。”
ヴェルギリウスの言葉を聞いたカロンは、むっと押し黙り、再び怒りに満ちた形相で、次々に集まってくる「神を畏れぬもの、神の怒りに触れたもの」たちの方を向き、彼らを三途の川の渡し船に追い込んで行った。
ぐずぐずするものは、容赦なくカロンの持つ船の櫂で殴られた。
涙に濡れた大地は、一陣の風を発し
風は真紅の稲妻を飛ばし
その稲妻は私の五官を奪った
私は、昏睡に落ちた人のようにばたりと倒れた。
ミケランジェロ 最後の審判 下部 システィナ礼拝堂 ローマ
この場面は、結構たくさん描かれています。「神曲2010」以降では、作品が重なり、同じ場面が複数出てきてもOKかとも思ってます
G.ドレ
ジョバンニ・ディ・パオロ
ストラダーノ
突然の怒鳴り声と共に、船に乗った白髪の老人が現われた。
小川 淳 地獄の渡し守カロン アクリル
”わしは貴様らを、永遠の闇の中に、灼熱と氷の岸辺に追いやるために来たのだ!さあ、さっさとこの船に乗らんか!”
と言いながら、手に持った櫂で、そこに集まってきていた亡者どもを打ち据えながら、目の前の川を渡る船に彼らを追い込んで行った。老人は、「三途の川」の渡し守のカロンだ。
”おいおまえ、生きているな。生きている奴は、ここを通すわけには行かぬ。離れておれ。”
ヴェルギリウスに連れられて、三図の川の岸辺に来ていたダンテを見つけるや、カロンは言った。
”他の道を行け、おまえには、もっと楽な船が似合うだろう”
”カロンよ、怒るな。これは、全知全能の高き賢きあたりの思し召しなのだ。彼を通してやれ。”
ヴェルギリウスの言葉を聞いたカロンは、むっと押し黙り、再び怒りに満ちた形相で、次々に集まってくる「神を畏れぬもの、神の怒りに触れたもの」たちの方を向き、彼らを三途の川の渡し船に追い込んで行った。
ぐずぐずするものは、容赦なくカロンの持つ船の櫂で殴られた。
涙に濡れた大地は、一陣の風を発し
風は真紅の稲妻を飛ばし
その稲妻は私の五官を奪った
私は、昏睡に落ちた人のようにばたりと倒れた。
ミケランジェロ 最後の審判 下部 システィナ礼拝堂 ローマ
この場面は、結構たくさん描かれています。「神曲2010」以降では、作品が重なり、同じ場面が複数出てきてもOKかとも思ってます
G.ドレ
ジョバンニ・ディ・パオロ
ストラダーノ